金地金取引には注意しましょう

事例

自宅に電話があり「金を買っておくといいですよ」と勧められ興味を持ち話だけでも聞こうと思った。

後日営業担当者が来訪し「必ずもうかる」との熱心な説明を受け、またとても感じのいい担当者だったので購入することにした。業者に約300万円を渡し契約したが、現物は業者が保管しているのでまだ見たことはない。

このことを家族に相談したら騙されていると言われ不安になった。家族が契約書を確認すると、約300万円は頭金のようなもので、残りは毎月8万円ずつ20年間積み立て、全額を支払い終えたら現物を受け取れるという総額2000万円以上の契約だった。

そんなに高額で長期の契約だとは思わなかったので解約を申し出ると、契約時の手数料約200万円を差し引いて返金すると言われた。

解説

電話や訪問で「金が値上がりしているので必ずもうかる」などと勧められ、長期間分割で代金を前払いする、金の購入契約に関する相談が寄せられています。

中でも契約した後で長期の契約だったことに気づき、中途解約を申し出たら高額な手数料を請求されたというケースが目立ちます。

特に高齢者の場合は、契約どおりに20年かけて支払うと、金の現物を受け取れるのは100歳を超えてからということも考えられます。また、20年の間に業者が倒産するなどのリスクもあり、将来必ず受け取れるという保証はありません。

このような解約は長期間の前払い支払いが完了しないと現物を受け取れない取引内容であり、リスクがあることも認識して慎重に判断する必要があります。

業者の説明をうのみにせず、契約前に書面等をよく確認し、その場で契約することは避けましょう。

電話や訪問を受けても、契約するつもりがなければはっきりと勧誘を断ることが大切です。

もし契約してしまったら訪問販売の場合、法律で定められた契約書面を受け取ってから8日以内であれば契約の解除(クーリング・オフ)が可能です。

困ったときは、相談室にご相談ください。