葛城修験が日本遺産に認定されました

    令和2(2020)年6月、『「葛城修験(かつらぎしゅげん)」-里人とともに守り伝える修験道はじまりの地』が「日本遺産」に認定されました。

    日本遺産は、平成27(2015)年度から開始された制度で、地域の歴史や伝承、風習などをひとつのストーリーにし、関連する建造物、遺跡、名勝地、祭りなどの有形・無形の文化財をひとまとめにして観光などに利用し、地域の活性化を進めるものです。一方、近年「百舌鳥・古市古墳群」が登録された世界遺産は、世界中の人類全体で価値のある文化財や自然を損傷・破壊から保護することを目的としています。

    ストーリーの題材となった葛城は、修験道の開祖と言われる役小角(えんのおづぬ)がはじめて修行を積んだ地と言われています。葛城修験は、法華経(ほけきょう)8巻28品(ほん)を1品ずつ埋納したと伝わる経塚と滝、巨石、寺、祠(ほこら)などの修行の場から構成されます。また、山麓(さんろく)に住まう里人の信仰や生活に密接な関わりがあり、これらをまとめたストーリーが日本遺産に認定されました。

    葛城修験のストーリーにおける構成文化財のうち、第4番経塚が阪南市に所在します。『葛嶺雑記(かつれいざつき)』には第4経塚が「さくら地蔵を三十歩ゆきて梵字石あり」と記されています。その梵字石とされる石碑は現在、境谷(さかいだに)入口に立っています。和泉砂岩製の自然石で、文安5(1448)年銘があります。また、JR 山中渓(やまなかだに)駅南側に所在する、永禄12(1569)年銘の六十六部供養(くよう)塔石碑を当経塚とする説もあります。

 

    『「葛城修験(かつらぎしゅげん)」-里人とともに守り伝える修験道はじまりの地』:申請者は、和歌山県(代表)、奈良県、大阪府と阪南市を含む19市町村。

    役小角:役行者(えんのぎょうじゃ)。7世紀末に葛城山にいた呪術(じゅじゅつ)者。

    葛城修験:詳しくは「葛城修験道と桜地蔵経塚」『文化財あれこれ』 を参考。

    法華経8巻28品:妙法蓮華経は8巻からなり、28章に分かれている。

    『葛嶺雑記』:嘉永5(1850)年に著された修験道の案内本。

さくら地蔵

文安5(1448)年銘碑(境谷入口)

奉納大乗妙典碑

永禄12(1569)年銘碑(JR山中渓駅南側)

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