祇園南海と書 その1

 

    井関越(いぜきこえ)街道は、尾崎を起点に黒田、石田を抜け、桑畑(くわばた)を通り、井関峠を越えて和歌山市六十谷(むそた)に至る街道です。その道を桑畑の集落から井関峠側に進むと滝の池があり、その南の崖(がけ)に「憩(けい) 望(ぼう) 岩(がん)」の大きな文字が刻まれています。

    昭和4(1929)年刊行の『大阪府史蹟名勝(しせきめいしょう)天然記念物 第四冊』には、その文字が祇園南海(ぎおんなんかい)の書と伝えられていること、想像すると祇園南海が、泉州と和歌山を行き来する途中、しばしば滝の池のほとりで体を休め、良い景色を褒めたたえ、ついに崖壁に「憩 望 岩」の3文字を刻んだのではないか、と記されています。

    また、同書には、桑畑から井関峠側に3町(ちょう)行った井関川中流の崖にも祇園南海の書「兎(と) 遊(ゆう) 岩」があったが、激流に流され「兎(うさぎ)」の1字が残るのみである、と記されています。

    次回は祇園南海について述べます。

 

    憩:休む。

    望:遠くをながめる。

    岩:切り立った崖。岩は山かんむりに品。「環境依存文字」で、視覚障がいがある方の 『音声読み上げソフト』に対応しません。

    町:1町は約109m。

憩 望 がん (桑畑)

憩 望 岩 (桑畑)

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