泉州地方に被害をもたらした台風
平成30(2018)年9月4日に大阪を襲(おそ)った台風21号は、泉州地方に大きな被害を与えました。被害に合われた方の早期復旧を祈るばかりです。この台風は午後0時頃、徳島県南部に上陸、その時の中心気圧は950hPa(ヘクトパスカル)、最大瞬間(しゅんかん)風速は45m/sで、淡路島から大阪湾を通過、神戸市付近に再上陸しました。泉州地域は自然災害が少ないと思われていますが、過去にも度々大きな台風が襲っています。
昭和9(1934)年9月21日午前5時10分、高知県室戸(むろと)の西方数kmに中心気圧912mbar(ミリバール)、平均風速45m/sという勢力で上陸、その後、徳島、洲本(すもと)を通って大阪湾に入り、午前8時頃神戸の東方に上陸しました。後にこの台風は室戸台風と名付けられます。大阪湾では風速50m/s前後の風が吹き荒れ、8時10分には約4mの高潮(たかしお)が襲来(しゅうらい)したそうです。この台風により大阪府下全体で、死者1,812名、重軽傷9,008名、行方不明76名、家屋全壊・半壊・流出14,578戸、床上浸水(しんすい)126,871戸、床下浸水26,478戸という甚大な被害がもたらされました。
阪南市域は、台風通過経路の東側に位置するため、風が相当激しかったと思われますが、建物の一部倒壊(とうかい)と多くの傾斜(けいしゃ)・破損(はそん)はあったものの、死者は出ませんでした。
昭和36(1961)年9月16日には、室戸台風に勝るとも劣らない規模で、同様のコースをたどったことから第二室戸台風と名付けられた台風が、泉州地方にも大きな被害をもたらしました。
阪南町(当時)域では、午後2時頃に最大瞬間風速60m/sに達しました。東鳥取町では、全壊4戸、半壊61戸、非住家の損壊213戸に加え、一部破損は数えきれないほどでした。南海町は、海岸部であっただけに風雨ともに激しく、民家の全壊、半壊や屋根瓦、塀などを含む家屋の一部破損など、被害をうけなかった家はほとんどなかったということです。
mbar:日本気象台の気圧の単位で、平成4(1992)年12月1日から国際単位「hPa(ヘクトパスカル)」に変更した。1mbar=1hPa。
東鳥取町:桑畑、石田、黒田、下出、自然田、鳥取中、山中渓。
非住家:住家以外の建築物。例えば官公庁、病院、倉庫など。
南海町:尾崎、波有手、新町、舞、貝掛、箱作、山中新田。
平成30(2018)年9月4日 台風21号被害 市立体育館
平成30(2018)年9月4日 台風21号被害 市立幼稚園
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