おざきくどき

 

    泉州地域の盆踊りは、地域によって様々に発達してきました。阪南市域でも、古くから旧村々で伝承されてきた盆踊りが踊られてきました。その多くは戦争で中断した後も再開と中断を繰り返しましたが、昭和50(1975)年代頃には多くの地域で踊られることがなくなりました。今でも踊られている伝統的な踊りは「おざきくどき」、「貝掛音頭」、「箱作の盆踊り」のみになっています。

    「おざきくどき」は、昭和初期には尾崎村の各地区で盛んに踊られていましたが、戦後5~6年間中断し、その後は途絶えたり再開したりを繰り返しながらも、エビノハマ、尾崎小学校と場所をかえて踊られてきました。その後、昭和54(1979)年から平成8(1996)年まで商工会青年部によって行われた「阪南市の盆踊り」では、「江州音頭(ごうしゅうおんど)」が踊られるのみで、「おざきくどき」は踊られることがありませんでした。

    平成10(1998)年、「尾崎町盆踊り保存会」が有志で結成され、「尾崎町納涼盆踊り大会」を始めることにより、「おざきくどき」は再開され、現在に至ります。

    「おざきくどき」の特徴は、上の句と下の句があり、上の句には「ソーリャセーヤーヤトセ ドッコイドッコイ」、(下の句には「サーヨーオーオイナー アサヨーイヤネエー ドッコイドッコイ」と違う囃子(はやし)を入れること、音頭とりが変われば最初に「受け取りましたこの音頭 しばらくは私がくどきます」と歌い、次の音頭とりに代わる時に「私はここらでひまもろて あとなるごせんせいとかわります」と歌うのが決まりとなっていることです。その間の歌詞は順番が決まっておらず、即興(そっきょう)で歌われることもあったようです。

    エビノハマでの盆踊りは、櫓(やぐら)の周りに踊り子の輪が何重にもできるほど多くの人が踊っていましたが、「おざきくどき」は踊りがゆっくりで音頭の言葉も難しいため、最近では踊れる人の数は激減しています。

   阪南市では、伝統的な盆踊りを後世に残すため、平成20(2008)年3月に「おざきくどき」をはじめとした盆踊り3件を無形民俗文化財に指定しました。

エビノハマでの盆踊り1(昭和49年)
エビノハマでの盆踊り2(昭和49年)
エビノハマでの盆踊り3(昭和49年)

昭和49(1974)年  エビノハマでの盆踊り

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