自然居士のいちょう

  

    自然居士(じねんこじ)を祀る祠(ほこら)のかたわらに所在することから「自然居士のいちょう」と呼ばれています。自然居士は阪南市東部の自然田(じねんだ)が出身とする伝承がある半僧半俗(はんそうはんぞく)の仏教唱道者(ぶっきょうしょうどうしゃ)で、謡曲(ようきょく)「自然居士」の主人公になっています。

    イチョウはイチョウ科イチョウ属に分類される1科1属1種の植物で、中国が原産といわれています。中生代(約2億5千万年~6千600万年前)に最も栄えた裸子(らし)植物グループの生き残りで、「生きた化石」の一つとして植物学上重要な種となっています。

    長寿で、成長すると樹高30m、幹回り5m以上にもなります。葉は扇形で葉脈(ようみゃく)が付け根から先端まで伸び、中央部が浅く割れてアヒルの足のような形をしており、秋には黄色く色づき、落葉します。雌雄異株(しゆういしゅ)で、4~5月頃に新芽(しんめ)が伸びてそれぞれの株に花が咲きます。実は雌株(めかぶ)にのみなり、結実(けつじつ)する為には雄株(おかぶ)による受粉が必要です。その実は銀杏(ぎんなん)と呼ばれ、11月頃には熟成(じゅくせい)し、果肉は特有の臭気を発しますが、その種子は食用になります。

    「自然居士のいちょう」は、樹齢約480年、樹高16m、幹回り1.2mの雌株で、周囲は常に綺麗に清掃され、地元の人たちに大切にされています。

    昭和56(1981)年6月1日、大阪府指定天然記念物に指定されました。

 

    雌雄異株:1株の花がすべて雄花か雄花だけの植物。それぞれ雄株、雌株と呼ぶ。

 

自然居士のいちょう

自然居士の祠