中国を起源とする釉薬を施した器は、奈良時代(約1300~1220年前)に日本へ伝わり、鎌倉時代(約830~680年前)に始まった茶の湯の影響もあり、安土桃山時代(約440~410年前)に至るまで数多く輸入されました。
これらの器には、鉄分を含んだ釉薬により青や緑に発色する青磁、白色の素地に釉薬をかけて焼成し透明性を帯びた白磁、器の表面に青色の文様を描き釉薬をかけた青花などがあり、多様な美しさから高級品として珍重されていました。
施釉の器は日本国内でも奈良時代以降、中国の影響を受けて三彩陶器(奈良三彩)などが作られましたが、日常では素焼きや木製の器が使われ、盛んに生産されるようになるのは豊臣秀吉が朝鮮出兵(1592~1597年)のおり、朝鮮半島から連れてきた陶工たちにより技術がもたらされてからのことです。
阪南市域でも、箱作の田山遺跡をはじめ多くの遺跡で外国産の器が出土しています。
これらを展示した「文化財ミニ展示 海から渡ってきた陶磁器」は、平成28年9月30日(金)まで、文化センター2階ホールで開催しています。
青磁 香炉
元時代(1271~1368年)
青花 皿
明時代(1368~1644年)