海を渡ってきた陶磁器

    中国を起源とする釉薬(ゆうやく)を施した器は、奈良時代(約1300~1220年前)に日本へ伝わり、鎌倉時代(約830~680年前)に始まった茶の湯の影響もあり、安土桃山時代(約440~410年前)に至るまで数多く輸入されました。

    これらの器には、鉄分を含んだ釉薬により青や緑に発色する青磁(せいじ)、白色の素地(そじ)に釉薬をかけて焼成し透明性を帯びた白磁(はくじ)、器の表面に青色の文様を描き釉薬をかけた青花(せいか)などがあり、多様な美しさから高級品として珍重(ちんちょう)されていました。

    施釉(せゆう)の器は日本国内でも奈良時代以降、中国の影響を受けて三彩(さんさい)陶器などが作られましたが、日常では素焼きや木製の器が使われ、盛んに生産されるようになるのは豊臣秀吉が文禄・慶長の役のおり、朝鮮半島から連れてきた陶工(とうこう)たちにより技術がもたらされてからのことです。

    阪南市域でも、箱作(はこつくり)の田山(たやま)遺跡をはじめ、多くの遺跡で外国産の器が出土しています。

文禄・慶長の役:豊臣秀吉が文禄元(1592)年~慶長3(1598)年に二度にわたって企てた朝鮮に対する侵略戦争。

青磁・香炉

青磁香炉
元時代(1271~1368年)

青花・皿

青花皿
明時代(1368~1644年)

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