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「一粒の種子 むくむくと茂り緑全土を覆ふ」 その1 (2019年9月)

 昭和9(1934)年3月17日、『大阪時事新報(おおさかじじしんぽう※1)』には( )海を渡り阪南の地で育ったフランスカイガンショウ( )という松が大阪の各地に植えられたことを報じています。この記事では、この松が植えられた経緯や特徴が述べられていますので( )以下に紹介します( )

 大正5(1916)年春、箱作(はこつくり)(現阪南市箱作)出身の生田伊作という( )物が長野県営林局を退職し帰郷した際、フランスカイガンショウを発見、繁殖(はんしょく)させました。

 昭和9(1934)年( )大阪公園協会が計画した皇太子(現上皇)誕生の記念植樹事業に応じ( )生田は繁殖させたフランスカイガンショウの苗木1,000本を寄贈し( )府営四公園(住吉、住之江、箕面(みのお)、浜寺)に植えられました( )

 この松は、葉の長さ1尺(約30.3cm)、松毬(まつぼっくり)の長さ6寸(約19.8cm)( )成長率は日本松の3倍とも言われ( )4年目には1(じょう)(約3.8m)( )15年目には周囲2尺(約60.6cm)という超スピードで成長し( )原産地では電柱( )枕木、汽船のマストなどに使われていました。当時、石鹸(せっけん)やテレビン油樟脳(しょうのう)などになくてはならない樹脂(じゅし)( )フランスカイガンショウからは( )一昼夜に2.5(もんめ)(約9.375g。日本松の約3.8倍の量)が採取でき( )年額1千万円にも上る樹脂輸入を減らすことができるため( )公園協会でも早速植林に着手する(  )ことになりました( 

)

 

※1 『時事新報』:明治15(1882)年に福澤(ふくざわ)()(きち)が創刊した日刊紙で、明治38(1905)年に大阪へ進出し『大阪時事新報』を創刊( )1942(昭和17)年に『夕刊大阪』と合併した( )

※2 フランスカイガンショウ(仏国海岸松):地中海西部沿岸域を原産とするマツ科マツ属の常緑(じょうりょく)針葉樹(しんようじゅ)。高さは20~35m( )(みき)の直径は胸高で1.2m程度から例外的に1.8mまでになる( )樹皮は赤みが強く( )深い裂け目が生じる。松葉は長く12~22cmにもなる。松毬は閉じているときの長さが10~20cm( )径は4~6cmとかなり大きく( )成熟前は緑色( )24ヶ月かけて次第( )熟し赤茶色になる( )

※3 テレビン油樟脳:針葉樹の幹に切り傷をつけて採取した樹脂を蒸留(じょうりゅう)精製(せいせい)して得られる精油。各種溶剤(ようざい)およびニスの製造などの原料になる。

フランスカイガンショウ

フランスカイガンショウ

フランスカイガンショウの樹皮

赤く、深い裂け目を生じる樹皮

フランスカイガンショウの松毬

松毬(向かって左がクロマツ、右がフランスカイガンショウ)

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