今年もあちらこちらで田植えが行われる季節となりました。現在では田植え作業も機械化されていますが、50年程前までは手で苗を植えるのが主流だったため重労働であり、また、一斉に行わなければならず、隣近所、親類が総出で行っていました。
田植えが終わると「泥休み」といって、それぞれの家では2日ほど休んで団子を作り、酒宴などを催し、慰労をおこないます。また、田植え最後の日を「おんだ」といって苗3把をよく洗い、お神酒や洗米とともに新しい箕に入れて田の神に供えました。
泥休みが終わり草取りの時期になると、今でも伊勢神楽がやってきます。伊勢神楽は江戸時代中期(約2~300年前)から始まったといわれ、伊勢神宮へ参拝できない人々の代わりに伊勢からやってきます。数人がグループになって各村をまわり、笛、太鼓、鉦の音にのせて獅子神楽(舞)を舞って荒神を払い、神札を配り歩きます。家々をまわった後は、地元の神社ですべての舞と放下(曲芸)を奉納する「総舞」が行われます。
伊勢大神楽講社が行う伊勢大神楽は重要無形民俗文化財に指定されています。
伊勢神楽(尾崎町内)