下出大願寺の一字一石経

    大願寺(だいがんじ)は、永禄3(1560)年に善心(ぜんしん)という尼僧により開基されたと伝えられています。

    平成12(2000)年に行われた本堂の改築で、本尊が安置されている床下から石櫃(いしびつ)が発見されました。石櫃は和泉砂岩(いずみさがん)製で、直径が約36cm、高さ約25cm、外形が蓮(はす)の華(はな)のように彫られていました。

    蓋(ふた)の裏面には「元禄15(1702)年3月15日 本堂再建にあたり、当時の住職重蓮社誓誉上人(じゅうれんしゃせいよしょうにん)が護念経(ごねんきょう)を納めた」という旨が刻まれ、中には1882個の小石が詰まっていました。

    この小石は、一字一石経と呼ばれるもので、平たい小石に梵字(ぼんじ)や経文(きょうもん)を1字ずつ書いた写経の一種です。極楽往生(ごくらくおうじょう)・現世利益(げんぜりやく)・追善供養(ついぜんくよう)などの祈願のため、おもに室町時代~江戸時代(1392~1871年)に流行しました。

    なお、寺の記録でも元禄16(1703)年に誓誉上人によって、本堂が再建されたとあり、今回の発見でその再建がさらに裏付けられたことになります。

 

    石櫃:石の容器。

    護念経: 大乗仏教(だいじょうぶっきょう)の経典(きょうてん)の一つ。「阿弥陀経(あみだきょう)」の異名は「一切諸仏所護念経(いっさいしょぶつしょごねんきょう)」ともいい、特に「護念経」は「阿弥陀経」の後半部にあたる。

一字一石経

大願寺本堂の床下から見つかった石櫃と一字一石経

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