向出遺跡

 

    向出(むかいで)遺跡は阪南市の東部を流れる男里川(おのさとがわ)支流である山中川(やまなかがわ)と菟砥川(うどがわ)に挟まれた河岸段丘とその氾濫原(はんらんげん)に位置します。

    昭和62(1987)年度に阪南町教育委員会が行った埋蔵文化財分布調査で、縄文時代の石器などが採集され、周知されました。

    平成9(1997)年に財団法人大阪府文化財センター(当時)が行った国道26号線(第2阪和国道)延長工事に先立つ事前調査では、多数の遺物と共に縄文時代後期から晩期の土坑墓(どこうぼ)群が検出され、「西日本最大級の縄文墓地遺跡」として、マスコミ報道で全国的にもその名が知られるところとなりました。これまでの調査では、墓地が約4000年前に始まり、約1700年間続いたことと、約2000年前の弥生時代の竪穴住居(たてあなじゅうきょ)の存在が分かっていますが、未だ墓地被葬者の住居跡が見つかっていないのが、最大の謎となっています。

    しかし、今のところ調査は遺跡の東端で行われたに過ぎず、遺跡の全体規模は約15,000平方メートルと推定され、その多くはまだ地中に保存されていると考えられます。そのため、当市教育委員会では、平成20(2008)年度に「向出遺跡評価検討委員会」を立ち上げ、縄文研究の第一人者5名によって、縄文後晩期の墓制と集落との関係についてなど多方面からの検討がなされました。

    向出遺跡は阪南市の宝、ひいては日本の宝となりうる重要な遺跡であり、今後も大切に見守っていく必要があります。

 

    土坑墓:地面に穴を掘った墓

土壙墓群

土坑墓群(縄文時代晩期)

土器棺墓

土器棺墓(縄文時代後期)

竪穴住居

竪穴住居(弥生時代)

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