阪南市内で一番古い文化財

 

   今から1万年以上前、長く続いた氷河期がようやく終わりを迎え、気候は徐々に暖かくなってきました。そのころの日本は縄文時代の初めにあたり、土器作りが開始されました。それまでの旧石器時代(約300万~1万3千年前)には、石器は存在するものの、土器は発明されていませんでした。人は土器を使用することにより、加熱によるアク抜きや煮炊きが可能となることで、食生活は大いに変化したとみられます。

    この縄文時代草創期(そうそうき)に使われたのが有茎尖頭器(ゆうけいせんとうき)と呼ばれる石器で、阪南市域では蓮池(はすいけ)の池底から見つかっています。有茎尖頭器とは槍先(やりさき)のことで、当時、近畿地方を含む広い地域で盛んに作られました。これは旧石器時代の槍先よりも小さく、軽くなっているため、「突く槍」から「投げる槍」へと発達したのではないかと考えられています。しかし、後に登場する弓矢の方が狩猟に有利だったためか、作られたのは縄文時代草創期と呼ばれる時代に限られます。

    残念ながら縄文時代には石器以外に縄文人の生活の跡はみつかっていませんが、獲物を追って駆け回る狩人たちの姿が想像できます。

 

    蓮池:石田にある阪南市域最大の池

    縄文時代草創期:約1万3千~1万年前

有茎尖頭器

有茎尖頭器

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