○阪南市住民投票条例

令和元年9月26日

条例第9号

(趣旨)

第1条 この条例は、阪南市自治基本条例(平成21年阪南市条例第21号。以下「自治基本条例」という。)第26条第3項の規定に基づき、住民投票の実施に必要な事項を定めるものとする。

(住民投票の対象)

第2条 住民投票の対象となる自治基本条例第26条第1項の市政の重要事項及び自治の根幹にかかわる事項とは、現在又は将来の住民福祉に重大な影響を与え、又は与える可能性のある事項であって、市及び住民全体に直接の利害関係を有し、住民に直接その賛成又は反対の意思を確認する必要があるものをいう。ただし、次に掲げる事項を除く。

(1) 市の権限に属さない事項。ただし、市の意思として明確に表示しようとする場合は、この限りでない。

(2) 議会の解散その他法令の規定により住民投票を行うことができる事項

(3) 特定の住民又は地域にのみ関係する事項

(4) 特定の個人、団体、地域の住民等の権利等を不当に侵害するおそれのある事項

(5) 市の組織、人事及び財務の事務に関する事項

(6) 市税等の納付の増減に関する事項

(7) 前各号に定めるもののほか、住民投票に付すことが適当でないと認められる事項

(投票資格者)

第3条 自治基本条例第26条第1項の規定により住民投票の実施を請求することができる者及び住民投票の投票権を有する者(以下これらを「投票資格者」という。)は、年齢18歳以上の日本国籍を有する者及び永住外国人で、引き続き3か月以上本市に住所を有するものとする。ただし、その者に係る本市の住民票が作成された日(他の市町村から本市に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第22条第1項又は第30条の46の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き3か月以上本市の住民基本台帳に記録されている者に限る。

2 前項の永住外国人とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

(1) 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者

(2) 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第2の上欄に掲げる永住者の在留資格をもって在留する者

3 第1項の規定にかかわらず、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項各号に掲げる者は、住民投票の請求の資格及び投票権を有しないものとする。

(住民投票の請求及び発議)

第4条 投票資格者は、その総数の6分の1以上の者の連署をもって、その代表者(以下「請求代表者」という。)から、市長に対して書面により、住民投票の実施の請求をすることができる。

2 市議会は、議員定数の12分の1以上の者の賛成を得て議員提案され、かつ、出席議員の過半数の賛成により議決された事項について、市長に対して書面により、住民投票の実施の請求をすることができる。

3 市長は、自ら住民投票の発議(以下「市長発議」という。)をし、実施することができる。ただし、議会の協議を経てから発議できるものとする。

4 市長は、第1項の規定による住民からの請求(以下「住民請求」という。)又は第2項の規定による議会からの請求(以下「議会請求」という。)があったときは、住民投票を実施しなければならない。

5 市長は、住民請求若しくは議会請求があったとき、又は第3項の規定により自ら住民投票の実施を決定したときは、直ちにその要旨を告示するとともに、阪南市選挙管理委員会(以下「選挙管理委員会」という。)にその旨を通知しなければならない。

(住民投票の形式)

第5条 住民投票に付する事項は、二者択一で賛成又は反対を問う形式のものでなければならない。

(住民投票の執行)

第6条 住民投票は、市長が執行するものとする。

2 市長は、地方自治法第180条の2の規定により、その権限に属する住民投票の管理及び執行に関する事務を選挙管理委員会に委任するものとする。

(住民投票の期日)

第7条 選挙管理委員会は、第4条第5項の規定による通知があった日から起算して90日を超えない日の範囲内において、住民投票の期日(以下「投票日」という。)を定めるものとする。

2 選挙管理委員会は、前項の規定により投票日を定めたときは、当該投票日その他必要な事項を当該投票日の7日前までに告示しなければならない。

3 選挙管理委員会は、第1項の規定により定めた投票日に衆議院議員若しくは参議院議員の選挙、大阪府の議会の議員若しくは長の選挙、本市の議会の議員若しくは長の選挙又は国民投票が行われるとき、その他選挙管理委員会が特に必要があると認めるときは、当該投票日を変更することができる。

(投票所等)

第8条 投票所は、選挙管理委員会の指定した場所に設ける。

2 選挙管理委員会は、投票所にあっては投票日の5日前までに、期日前投票所にあっては前条第2項の規定による投票日の告示の日にそれぞれ告示しなければならない。

(投票することができない者)

第9条 投票資格者名簿に登録されていない者は、投票することができない。

2 投票資格者名簿に登録された者であっても、投票資格者名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。

3 住民投票の当日(第11条第1項の規定による期日前投票にあっては、投票の当日)に、住民投票の投票権を有しない者は、投票することができない。

(投票の方法)

第10条 住民投票の投票は、1人1票とし、秘密投票とする。

2 住民投票の投票を行う投票資格者(以下「投票人」という。)は、住民投票の当日に、自ら投票所へ行き投票資格者名簿の抄本の対照を経て、投票をしなければならない。

3 投票人は、住民投票に付された事項に対し、賛成するときは投票用紙の賛成の欄に○の記号を、反対するときは投票用紙の反対の欄に○の記号を自書し、これを投票箱に入れなければならない。

4 前項の規定にかかわらず、心身の故障その他の理由により、自ら投票用紙に○の記号を記載することができない投票人は、規則で定めるところにより代理投票をすることができる。

(期日前投票等)

第11条 投票人は、前条第2項の規定にかかわらず、期日前投票又は不在者投票を行うことができる。

2 前項の期日前投票は公職選挙法第48条の2の規定の例によるものとし、不在者投票は同法第49条の規定の例によるものとする。

(無効投票)

第12条 第10条第3項の規定によりなされた投票について、次の各号のいずれかに該当する投票は、無効とする。

(1) 所定の用紙を用いないもの

(2) ○の記号以外の事項を記載したもの

(3) ○の記号のほか、他事を記載したもの

(4) ○の記号を自書しないもの

(5) 投票用紙の賛成の欄及び反対の欄の両方に○の記号を記載したもの

(6) 投票用紙の賛成の欄又は反対の欄のいずれに○の記号を記載したのかを確認し難いもの

(7) 白紙投票

(成立要件)

第13条 住民投票は、一つの事項について投票した者の総数が当該住民投票の投票資格者数の2分の1に満たないときは、成立しないものとする。この場合においては、開票作業その他の作業は行わない。

(結果の告示)

第14条 選挙管理委員会は、住民投票が成立しなかったとき、又は住民投票が成立し、投票結果が確定したときは、直ちにこれを告示するとともに、当該告示の内容を市長に報告しなければならない。

2 市長は、住民請求に係る住民投票について、前項の規定により選挙管理委員会から報告があったときは、その内容を直ちに請求代表者に通知しなければならない。

3 市長は、議会請求又は市長発議に係る住民投票について、第1項の規定により選挙管理委員会から報告があったときは、その内容を直ちに議会の議長に通知しなければならない。

(情報の提供)

第15条 市長は、第7条第2項の規定による告示をした日から投票日の2日前までに、住民投票に係る請求、発議の内容の趣旨その他住民投票に関する必要な情報を広報誌その他適当な方法により投票資格者に提供するものとする。

2 前項の規定による情報の提供に際しては、中立性の保持に留意し、公平に扱わなければならない。

3 第1項に定めるもののほか、市長は必要に応じて公開討論会、シンポジウムその他住民投票に係る情報の提供に関する施策を実施することができる。

(投票運動)

第16条 住民投票に関する投票運動は、自由とする。ただし、買収、脅迫等により投票資格者の意思が拘束され、若しくは不当に干渉され、又は市民の平穏な生活環境を侵害するものであってはならない。

(投票及び開票)

第17条 前各条に定めるもののほか、住民投票の投票及び開票に関し必要な事項は、公職選挙法、公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)及び公職選挙法施行規則(昭和25年総理府令第13号)並びに阪南市選挙関係事務執行規程(平成3年阪南市選挙管理委員会規程第1号)の規定の例による。

(再請求の制限)

第18条 この条例による住民投票が実施された場合には、その結果が告示された日から起算して2年が経過するまでの間は、当該投票に付された事項と同一の事項又は同趣旨の事項について、住民請求、議会請求又は市長発議を行うことはできない。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、住民投票に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和元年10月1日から施行する。

阪南市住民投票条例

令和元年9月26日 条例第9号

(令和元年10月1日施行)