○阪南市子どもの権利に関する条例

令和6年12月23日

条例第26号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 子どもの権利(第3条)

第3章 子どもの権利の保障(第4条―第10条)

第4章 子どもに関わる施策の推進(第11条―第20条)

第5章 雑則(第21条)

附則

阪南市の子どもたちは、全てかけがえのない存在であり、次代を担う社会の宝です。

全ての子どもは、生まれながらに一人の人間として尊重される権利を有しています。子どもたち一人ひとりの人権を保障するために、児童の権利に関する条約に定められた「生きる権利」、「育つ権利」、「守られる権利」、「参加する権利」を尊重し、また、SDGs(持続可能な開発目標)の目標である「誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現」の考え方も踏まえ、その健やかな成長を社会全体で支えていかなければなりません。

子どもは、自ら育つ力と多くの可能性があり、社会との様々な関わりを経験する中で、自立性や社会性、そして豊かな人間性を身につけます。そのために、大人は、子どもが健やかに育つ環境をつくり、子どもを大切にする文化を醸成するという役割を担っています。

阪南市では、子どもが健やかに育つまちづくりを推進していますが、社会環境や生活基盤の変化等、子どもや子育て家庭を取りまく環境が大きく変化し、子どもの育ちに大きな影響を及ぼしています。このことから、子どもに関わる全ての人がそれぞれの役割について認識し、互いにつながりを深めるとともに、全ての人が子どもや子育て家庭に関心を持ち、地域全体で子どもを育むため、関係機関が連携し、一人ひとりの状況に応じた総合的な支援をしなければなりません。

そして、私たち大人は、子どもが「権利の主体」であることを念頭に置きつつ、子どもと大人はパートナーであるという認識を持って、当事者である子どもたちの思いや意見を聴き取り、「共創」によるまちづくりを進めてまいります。

ここに私たちは、阪南市の子どもたちが、豊かな自然に恵まれた環境の中で人々の深い愛情に包まれ、夢と希望を抱きながら、自分も他の人も大切にできる、人を思いやる心を持った次代の社会を担う大人へと成長していけるよう、子どもたち一人ひとりの個性を尊重し、全ての子どもを社会全体で支援をすることができるよう、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもに関わる様々な主体が、子どもの力を知り、子どもを信じ、子育ちを支えるための理念、果たすべき役割等を意識し、子どもの権利を保障するとともに、子どもが、年齢や発達段階に応じて主体的に参画できる「共創」によるまちづくりを進めることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例における、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども おおむね18歳未満の人をいう。

(2) 大人 おおむね18歳以上の人をいう。

(3) 保護者 親又は親に代わって子どもを養育する人をいう。

(4) 学校園所等 阪南市にある学校、幼稚園、保育所、認定こども園その他子どもが育ち、学び、遊び、活動するために利用する施設、団体又はその関係者をいう。

(5) 地域社会 子どもが生活するところ、自宅や学校があるところ、生活に必要な施設等、そこで暮らす人たちとの交流又はつながりのあるところをいう。

第2章 子どもの権利

(代表的な子どもの権利)

第3条 本条に規定する権利は、子どもが一人の人間として生まれながらに持っている特に大切な権利として保障されるものとする。

(1) 生きる権利

 命、心及び体が大切にされ、自分らしく生きること。

 心又は体に障がいがあっても、個性及び誇りが傷つけられず生活を送ること。

 大人と同様、権利を持つ一人の人として尊重され、その権利が守られること。

(2) 育つ権利

 自分の成長にあった適切な支援を受け、心及び体が健やかに育つこと。

 自由に遊び、又は休むことができるとともに、自然、文化、芸術及びスポーツに親しむことができること。

 必要な教育を受け、自分の心及び体が持つ力を伸ばすこと。

(3) 守られる権利

 虐待、いじめ、あらゆる暴力等、権利が侵害されるどのような扱いからも守られること。

 多様な生き方が認められ、誰からも幸せを奪われないこと。

 知られたくないことを秘密にでき、自分の信用又は評判を傷つけられないこと。

(4) 参加する権利

 自分の意見又は考えを様々な方法で自由に表し、伝えること。

 仲間とともにグループを作り、集まり、又は活動すること。

 年齢や発達段階に応じて社会に参画する中で、意見を表明し、活かされる機会があること。

第3章 子どもの権利の保障

(子どもを取り巻く主体の役割)

第4条 子どもに関わる全ての大人は、子どもが生まれながらに権利の主体であることを知り、その権利を保障し、子どもが健やかに自分らしく成長できるよう、次条から第9条までに規定する役割を果たすことに努めるものとする。

(大人の役割)

第5条 大人は、子どもを育む社会全体の一員として、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 子どもの権利について理解し、子どもが権利の主体として尊重されるものであることを認識すること。

(2) 子どもが権利について学び、又は知る機会の充実を図ること。

(3) 子どもが安全かつ安心して暮らし、又は成長できるよう温かく見守ること。

(4) 子どもが安心して話せる関係を築き、その思い又は考えを聴き、読み取り、相互に相談及び協力し合うこと。

(5) 子どもが社会の決まりを守り、他の人の権利を尊重し、又は自分と同様に他の人を大切にする心を育めるよう見本となり支援すること。

(6) 子どもが様々な経験を積み重ね、社会的に自立していく主体性を育むこと。

(7) 子どもが自分らしく生きられるよう、多様な個性及び価値観を認め合える社会を築くこと。

(保護者の役割)

第6条 保護者は、子どもの養育と発達に第一義的な責任を負うものとして、必要に応じて周囲の協力又は支援を受け、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 子どもの健やかな成長のために、子どもが安全で安心できる環境を整え、養育すること。

(2) 子どもが自分の気持ち又は考えを話す際には、最後まで聴き取り、受け止め、かつ話し合うこと。

(3) 子どもの個性及び考えを認め、子どもの育つ力を信じ、かつ励ますこと。

(4) 困ったときは一人で不安等を抱え込まず、周囲に必要な相談又は協力を求めること。

(学校園所等の役割)

第7条 学校園所等は、子どもの教育及び保育等に関わるものとして、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 子どもが安心して過ごせる居場所となること。

(2) 集団生活及び学習活動等を通じ、必要な社会性及び学力並びに主体的に考え行動すること等、豊かに生きる力を身につけられるよう支援すること。

(3) 子どもが、自分又は他の人の権利について学び、知る機会並びに自分の意見及び考えを話し合う機会を設けること。

(4) 子どもにとって拭えない傷となる虐待、いじめ、体罰等の防止、早期発見、解決に向け、関係機関と連携し、取り組むこと。

(地域社会の役割)

第8条 地域社会は、家庭における子育てを補完する場所として、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 地域社会の中で子どもが健やかに成長できるよう、安全かつ安心な地域環境を作ること。

(2) 子どもの気持ち及び考えを大切にし、挨拶を交わすなど、温かく見守ること。

(3) 子どもが地域社会とのつながりを感じ、郷土愛を育めるよう、多様な世代が関わる催し等では、協働にて取り組むこと。

(市の役割)

第9条 市は、子どもの権利を保障し、子どもの最善の利益のために、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 前4条に掲げる主体が、それぞれの役割を果たすことができるよう、必要な支援を行うこと。

(2) 子どもに関わる施策を効果的に実施できるよう、保護者、学校園所等及び地域社会の連携を促進すること。

(3) 子どもに関わる施策を総合的かつ計画的に実施できるよう、調整すること。

(権利の主体としての子どもの育ち)

第10条 子どもは、自分たちの権利を適切に行使できるよう、大人から支援を受け、権利の主体として育つために次に掲げる事項を大切にするものとする。

(1) 自分たちにある権利について学び、かつ知ること。

(2) 自分と同様に他の人の権利を守ること。

(3) 互いの考え及び個性を大切に尊重し、誰も傷つけないよう、多様な意見及び考えを認め合える関係を築くこと。

(4) 自分の考え及び意見を様々な方法で伝え合うこと。

第4章 子どもに関わる施策の推進

(子ども・子育て当事者等の意見の反映)

第11条 市、保護者、学校園所等及び地域社会は、子どもに関係する施策や事項について、子どもの最善の利益につながるよう、子どもの意見を聴き取る機会の充実を図るものとする。

2 市、学校園所等及び地域社会は、子育ち又は子育てに係る施策や事項について、保護者又は自分の考えをまとめることができない子どもの代弁者等から意見を聴き取る機会の充実を図るものとする。

(子どもの意見表明及び参加の場)

第12条 市は、まちづくり及び子どもに関する施策について、権利の主体として子どもが意見表明し、参加する場を設けるものとする。

2 市は、子どもの意見表明及び参加の場では、子どもの自主的及び自発的な活動を奨励し、支援するものとする。

3 市は、子どもの意見表明及び参加の場でまとめられ、提出された意見を尊重するものとする。

(子育て家庭への支援)

第13条 市、学校園所等及び地域社会は、保護者が安心して子育てをすることができるよう、その家庭の状況に応じて支援するものとする。

(支援等の充実)

第14条 市、保護者、学校園所等及び地域社会は、全ての子どもの養育環境等全般について継続的に実態把握に努め、一人ひとりの子どもが抱える課題が深刻化することのないよう支援の充実を図るものとする。

2 市、保護者、学校園所等及び地域社会は、関係機関及び各主体等と連携し、子どもが自分らしく過ごせる居場所づくりの充実を図るものとする。

(相談支援体制の充実)

第15条 市、保護者、学校園所等及び地域社会は、成長の段階、置かれた環境等に応じた問題又は悩みについて、子どもが相談できる場を設定し、プライバシーを保護し、適切に支援できるよう相談支援体制の充実を図るものとする。

(多様な子どもへの支援)

第16条 市及び学校園所等は、発達、思想及び表現の多様性を認め、全ての子どもの権利を保障し、次に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 全ての子どもの権利が保障されることを周知及び啓発すること。

(2) 孤立を予防するため、仲間と出会うことができる場について周知すること。

(3) 多様な子どもを支援するため、関係機関のネットワーク等について周知すること。

(子どもの貧困対策)

第17条 市は、学校園所等や関係機関と緊密に連携し、貧困の状況にある子どもについて把握し、生活に関する支援をするなど必要な施策を講ずるものとする。

(虐待等の予防等)

第18条 市、保護者、学校園所等及び地域社会において子どもに関わる全ての大人は、関係機関と連携し、子どもの虐待、いじめ等の予防、早期発見及び早期支援に取り組むものとする。

(関係諸機関との連携)

第19条 市、保護者、学校園所等及び地域社会は、子どもに関わる事柄について、必要に応じて関係機関との連携を図り、協働にて実施するものとする。

(条例の広報等)

第20条 市及び学校園所等は、この条例についての市民の関心及び理解を深めるため、必要な広報及び啓発を行うものとする。

第5章 雑則

(委任)

第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和7年1月1日から施行する。

阪南市子どもの権利に関する条例

令和6年12月23日 条例第26号

(令和7年1月1日施行)