波太神社三十六歌仙扁額

名称 : 波太神社三十六歌仙扁額(はたじんじゃさんじゅうろっかせんへんがく)

種類 : 絵画

所在地 : 阪南市石田

指定年月日 : 昭和45(1970)年2月20日

    三十六歌仙扁額とは、平安中期の歌人藤原公任(ふじわらのきんとう)の『三十六人撰』に載せられた和歌の名人三十六人の肖像画(しょうぞうが)を歌とともに描いた扁額歌仙絵(へんがくかせんえ)の一形式で、室町時代(約620~450年前)に発生しました。

   波太神社所蔵の三十六歌仙扁額は、三十六枚の扁額にそれぞれ一人の歌人とその歌が描かれた一歌仙一額(いっかせんいちがく)形式です。黒漆(くろうるし)塗りに鍍金(めっき)の金具で飾られた扁額の大きさは縦51.6cm、横41.0cmで、三十六面が保存良く伝えられています。

    三十六歌仙は左右18図ずつに分かれており、またその順番も決まっています。左一番の柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)と右十八番の中務(なかつかさ)の額には「土佐従五位下刑部権大輔藤原光成(とさじゅごいのげぎょうぶごんたいふふじわらのみつなり)」の署名と押印が見られ、元禄時代の宮廷絵師である土佐光成の筆であることがわかります。土佐光成が従五位下刑部権大輔に叙(じょ)せられたのが元禄9(1696)年であるため、1700年前後の作と推定されています。

 

  • 三十六歌仙扁額は非公開です。
三十六歌仙扁額

向かって左から柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)、紀貫之(きのつらゆき)、中務(なかつかさ)